こんにちはヨシダ住宅工房です。
「屋根から雨漏りがする・・・」
「屋根が傷んできている・・・」
「塗装すればいいの?葺き替え?」
屋根のリフォームする際、こんな疑問ありませんか?
屋根のリフォームは3つの工法があります。
①「塗装」
②「葺き替え」
③「重ね葺き(カバー工法)」です。
住宅の築年数や屋根の痛み具合、屋根の種類等を判断し施工方法を決定します。
屋根材にはそれぞれ耐用年数があります。
耐用年数未満の場合は塗装等のメンテナンスを行います。
耐用年数を超えていた場合、葺き替えや葺き重ねを検討します。
耐用年数はあくまで目安であり、短くも長くもなります。
最終的な判断は漏水状況・屋根の傷み具合・下地の状態等総合的に判断します。
誤った工法だと長持ちしなくなるので、適切な工法でリフォームしましょう。
〇葺き替えが必要な例(築35年・セメント瓦・筑西市)
お客様は知り合いの塗装業者で塗装を検討しており、漏水しているので屋根を補修して欲しいとの依頼でした。
外壁や軒裏の剥がれを確認し、広範囲に漏水が見受けられました。
部分補修では漏水が収まらい可能性が高く、セメント瓦の耐用年数の寿命が近いので葺き替えをおすすめしました。
漏水している屋根に塗装をして下手に蓋をすると、侵入した雨水が排出されず下地を痛める可能性が高いです。
漏水の有無を確認して最適な屋根を提案します。
〇葺き替えが必要な例(築40年・瓦・古河市)
お客様より瓦が落ちそうなので直して欲しいと依頼を受けました。
屋根を見させていただくと、単なる瓦のズレでなく漏水により瓦ざん(瓦を固定する木材)が腐りによりズレが起きていました。防水シートも傷んでいます。
瓦の耐用年数は60年ですが、重要なのは下地や防水シートです。下地が傷んでいると、屋根材の耐用年数がいくら長くても意味がありません。
特に防水シートの耐用年数は20年と言われているので、屋根材に関わらず下地や防水シートが傷んでいる場合はそれらの交換も考慮し、リフォーム方法を決定します。
〇カバー工法例(築20年・スレート・野木市)
お客様より屋根塗装の依頼を受けました。
確認した所、スレート屋根が傷みが酷く、塗装しても再度塗装をするようになると判断し、重ね葺きを提案しました。
スレート屋根であれば、ガルバニウムにて重ね葺きが可能なので、初期費用はかかりますが、長期的に考えるとメンテナンス費がかからないので安くなります。
スレート屋根は瓦と違い、凹凸が無いので重ね葺きが出来ます。リフォームを検討している方はガルバニウムにて重ね葺きがオススメです。
〇よく使用されている屋根屋根の種類・耐用年数・特徴
屋根材 | 耐用年数 | メンテナンス 周期 |
特徴 |
和瓦、洋瓦 | 60年 | 20年~30年 | 昔から使用されてきた最もメジャーな屋根材。現行の住宅の半数近くが瓦屋根である。近年では採用率が低くなっている。 メリット ・耐用年数長い・断熱性がある・防音性がある・耐火性がある デメリット ・工事費が高い・重量があり耐震性に不利 |
スレート (コロニアル、カラーベスト) |
15年~25年 | 7年~8年 | 建築コストが抑えられる為、ローコスト住宅や建売等多くの住宅に使用される。 メリット ・工事費が安い・軽く耐震性に有利 デメリット ・耐用年数が短い・頻繁にメンテナンスが必要・割れやすい |
セメント瓦 | 30年~40年 | 10年~15年 | 高度経済成長期に瓦の代用品として流行した屋根材。現在はあまり使用されない。 メリット ・和瓦と似ているが、軽く工事費が安い デメリット ・重量があり耐震性に不利・頻繁にメンテナンスが必要 |
ガルバニウム | 20年~30年 | 20年~30年 | 阪神淡路大震災より注目されてきた屋根材。近年の新築住宅で最も使用率が高い材料。 メリット ・耐用年数長い・軽量で耐震性に有利・錆びにくい デメリット ・断熱性がない・防音性がない |
〇瓦
瓦は昔から使用されてきた最もメジャーな屋根です。現行の住宅の半数近くが瓦屋根です。
瓦の特徴としては他の屋根と比べ、耐用年数長く、断熱性がある等が挙げられます。メンテナンスを適切に行えば長持ちします。
デメリットは工事費が高いことと耐震性に不利な点です。工事費は材料費や工事手間がかかる為割高になります。
また瓦は重量があるので、耐震性にも不利となります。東日本大震災から「瓦は地震に弱い」「瓦は危険だ」というイメージが定着しました。
現在の瓦では、瓦1枚1枚を屋根に固定するので実は地震により崩れるリスクは低くなります。
我が家の屋根も瓦で築20年ですが、今のところメンテナンスは必要としていません。
メンテナンスは瓦の割れやズレを定期的に確認し、問題があれば直します。塗装は必要ありません。
〇スレート
スレートは岩を板状に加工した薄い屋根材です。近年ではセメントをベースにしたスレートが主流です。
生産メーカーが限られている為、商品名がそのまま浸透しています。コロニアル屋根、カラーベスト屋根と呼ばれます。
スレート屋根の特徴は材料が安価で施工も簡単な為、新築住宅でも多く採用されています。
しかし、耐用年数・メンテナンス周期が短く、コストパフォーマンスは低いです。
メンテナンス方法は塗装となります。表面が平なので、カバー工法ができます。
〇セメント瓦
セメント瓦は高度経済成長期に、瓦の代用品として多く普及された材料です。近年ではほとんど採用はされていません。
形や厚みはほとんど瓦と区別はつきませんが、瓦は表面がつるつるに対して、セメント瓦はざらざらしています。
耐用年数は30年~40年と長いですが、メンテナンスは10年~15年行わないといけません。メンテナンス方法は塗装を行います。カバー工法はできないので、葺き替えとなります。
〇ガルバニウム
ガルバニウムは非常に錆びにくくした鉄です。安価な材料費かつ軽量で耐震性もあるので、近年の新築住宅では最も使用率の高い材料です。
耐用年数やメンテナンス周期が長いので、コストパフォーマンスが優れています。
簡単に折り曲げることができるので、どんな屋根にも流用ができます。瓦の形状をした物もあり、和風住宅にも使用できます。
デメリットとして、鉄なので熱を通しやすく耐熱性はありません。対策として断熱材入りの屋根もあります。
メンテナンス方法は塗装となります。
〇下地の重要性
葺き替えが必要な例にも記載しましたが、屋根において重要なのは耐用年数ではありません。
どの屋根にも共通して防水シートが施されています。雨漏りを防ぐ最終防衛ラインが防水シートになります。
台風や強風時、屋根から漏れた雨水を防水シートが防ぎます。
防水シートは近年は耐用年数が上がっていますが、約20年と言われています。
防水シートの主成分はアスファルトゴムなので熱や経年劣化によりいずれ切れます。
最近主流のガルバニウムですが、断熱性が無いので防水シートを痛める原因にもなります。
どの屋根もメリット・デメリットがあるのでご自分にあった最適な屋根選びが重要です。